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199:スタメン名無しさん 11/8 3:19
俺さ、高校の時友達もいなくて、部活もやってなくて、本当に退屈な高校生活を送っていたわけよ。
下校時には学校から駅までの商店街に肉屋があって、毎日50円のコロッケを買っていたわけよ。出来たてでうまかった。
何かそれがつまらない高校生活の中のちょっとした楽しみで、三年間その肉屋には寄っていたな・・・
そこの肉屋の親父は無骨な頑固者で、俺が「コロッケ一つ」といっても「ん」としか返さないような人だった。
そんな俺もとうとう卒業の時が来た。卒業式の日、他の人はこれから打ち上げで盛り上がっている中、俺は当然誘われもせず、一人寂しく学校を後にした。
今日でこの肉屋でコロッケを買うのは最後だな、と思いつつ肉屋へ向かった。
肉屋の親父は卒業証書をいれた筒を見て三年間で初めて声をかけてきた。
「お、今日で卒業か、これつまんないけど俺からだ」
渡されたのは200円のとんかつだった。俺は感動した、家族を抜かせば三年間ほぼ毎日接したのはこの親父だけだったと。
礼を言い去ろうとすると、肉屋の親父が「おい、200円忘れてるぞ!」と一言。
俺は絶望した。

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