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9:スタメン名無しさん 11/11 1:23
遅れに遅れた先週の文化の日の日記。
なんか台本渡された。
俺「なにこれ?」
翠星石「今日やる劇の台本ですぅ。翠星石が脚本ですよ」
俺「へぇー。劇なんかやるんだ。どれどれ…。
お姫様が好きでもないキザったらしい王子と結婚させられそうになって直前で互いに想いを寄せていた騎士様が助けに来て…。
王道ストーリーですなあ。お姫様誰がやるの?」
翠星石「翠星石ですよ。脚本と主演ですぅ。ちゃんと覚えたですか?じゃ、練習するですよ」
俺「え?練習?」
翠星石「そうですよ。お前一人二役ですから、シャキッと気合い入れるですよ」
俺「…ちょっと待ってよ。俺も出るの?」
翠星石「当たり前ですよ。でなきゃ劇の前に台本見せたりしないです」
俺「まあ…楽しそうだしせっかく翠星石が書いたから協力はするけどさ…。でもそれならもっと早く言ってくれよ」
翠星石「そーんなこと言ったってさっき台本できあがったばかりだから仕方ないですぅ。
じゃ、今度こそ始めるですよ。」
俺「あー、ちょ、ちょっと待って。すぐに覚えろだなんて無理だって。
それにただでさえ大変なのに二役なんてさあ…。これなんとか一役にならない?」
翠星石「無理ですよ。どっちの役もヤスヒロがやるつもりで考えたんですから。ヤスヒロも翠星石もこの配役しかないですぅ」
俺「そう…じゃあがんばってみるよ…。
あ。あのさ、初めからじゃなくてとりあえずここ練習させて。アドリブでいっぱい褒めろってとこ。
ここが一番難しそうだし、ここさえ上手くいけば他も上手くいくかも」
翠星石「え、そこですか?本番まで楽しみにしてようと思ってたですけど…まあしゃあねえですね。
じゃ、『戦場に赴く騎士をお姫様が見送って、翠星石にメロメロのバカ王子が登場』のシーンですぅ。
『必ず、帰ってきてくださいですよ…』はい、見送ったです。ここで王子登場!」
俺「『ああ、ご機嫌麗しゅう翠星石姫』(語呂悪いな)」
翠星石「で、ここからは何言われても答えないです『……』」
俺「『どうしてそんな暗い顔をなさっているのですか?明日が婚約の日だというのに』…なんか恥ずかしい役だなあ」
翠星石「恥ずかしがってたら観客の心に響く演技は出来ないですよ。ほら、続きですよ。キザったらしく言ってくるシーンですぅ」
俺「ああそうね…こっからアドリブか、えーと…『僕らの婚約は他人に決められたものだけれど、僕らの恋は本物のはずです。
僕は君に初めて会った時から愛している。いえ、きっと会う前から愛していたんでしょう』」
翠星石「え…」
俺「『この夜の空ように曇っているあなたの顔も、夜が明け陽が昇り、儀を執り行えば明るく戻っているでしょう。
それでも夜に曇っているのなら、あなたの心に陽が昇るまで、夜が明けまた夜になろうとも楽しい話を語り明かしましょう。
あなたが僕の、そして僕があなたの太陽になり、ずっとそういられるように、あなたと僕の幸せのために、どうぞ笑顔で僕の妃に! 』」
翠星石「は、はいです!」
俺「ここ突っぱねるシーンだぞ」
だって。
脚本書いた本人が間違えてどうするのよ…。なーんかそのあと翠星石はポケーッとして練習に身が入らないし、
「やっぱり王子とくっつくようにする」って脚本変えちゃうしもうめちゃくちゃ。すごく不安だったけど、練習もそこそこにみんなの前でいざ本番。
結果は…。大成功だったよ!特に翠星石のトキメキ感を出す演技がすごく上手でみんなも俺も感心しちゃった!
俺は騎士様が憐れでならなかったけど…。とにかく、こんな楽しい劇が出来て俺は幸せ者だなあ!ハッピー文化の日!\(^o^)/
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